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Urushi Ito

人類と漆の歴史は古く、約1万年前から利用していたということがわかっています。
漆は、人類にとっては掛け替えのない資源でした。そしてその多くは接着剤として使い、ある時は魔除けの力として崇め、権力の象徴でもありました。
そんな漆も柔らかく使うことには発展せず、軽くて水を弾き衛生的で、堅くて割れにくく美しい艶をもつ貴重品として、今日まで理解されてきました。しかしTsurubamiは、漆の柔らかい性質に目をやり、世界中で役に立つ糸として、新しく「彩漆糸」を創り上げました。この自然から生まれた彩漆糸が、これからの世界中の人びとにとって、新しい価値を紡いでくれることを期待しています。

日本では約14年間育てた漆樹から、1年をかけて漆の樹液を掻き採ります。この手法を「殺し掻き法」 と称し、1年間に必要な苗木を植え、14年サイクル分を継続的に栽培していきます。

中国では、標高約1000m域の広大な原生林に自然植生している漆の樹から、少しずつ漆の樹液を採る やり方をしています。

私たちは、天然植生環境で育まれた、良質の漆を選ぶなかで、性質の異なるベトナム産漆も、 日本の四季にあわせた成分調整剤として使用しています。

日本に輸入された中国産漆(品質の高いものを厳選)は、不純物をとり除いて加工品に応じた配合、季節に合わせた調整がなされた後に、製品に加工されます。

なかでも京都の伝統産業でもあります「金糸」製作では、漆の姿が表に出ることのない、金箔の接着剤として用いられ、永い歴史のなかで漆の柔軟性の恩恵を受けてきました。

この写真は、漆が「漆糸」に仕上がる前のシート状態で折鶴にしたものです。

このように漆は、割れることなく鶴を折りあげることもできます。これからは、「漆糸」で織りあげられた製品が、世界中で当たり前の様に使われ、そして世界中の人びとと「柔らかな漆糸の恩恵」を分かち合う世の中になります。

「漆糸・漆織」は、クロコダイルなどの革の表情も再現でき、動物愛護にも寄与でき、自然環境にも優しい素材として貢献します。