• 黒柿孔雀杢

    古来、中国では権威の象徴として玉座や調度品に黒檀を多く用いました。
    しかし日本では黒檀ではなく「黒柿」を重んじ用いたのです。同じ柿属でありながら、自然界の偶然でしか発生しない「黒柿」が、仏教を取り入れようとした当時の日本にとっては、最も尊いものに見えたに違いありません。
    東大寺廬舎那仏の建立を命じた聖武天皇は、黒柿のなかでも究極の美しさで現れた、孔雀色孔雀模様の「黒柿孔雀杢」を大切な両面御厨子(正倉院御物)に用いて愛用しました。
    Tsurubamiは、島根県奥出雲町山中より発見された現代の「孔雀杢」を入手し、孔雀杢原木糸を創り上げ、千年先の世に遺す「黒柿孔雀杢織帯」を織り上げました。